毎日のオイル
ブログへ戻る

2月 24, 2017

人類の歴史におけるオリーブオイル(パート1)

オリーブオイルが他の植物油と違う点は、他の植物油が種から油をしぼるのに対し、オリーブオイルはオリーブの実から油をとるというところ。アセイテ(油)は、アラビア語のオリーブの実の果汁、az-zaitを語源とします。さらに、数千年も昔にホメロスがオリーブオイルを黄金の液体と呼んでいたことは特記する点といえます。以来、オリーブオイルは地中海食の中心的要素のひとつ。しかも、現在知る限りでは、地中海食は最も健康に良い食事法の一つなのです。地中海食は2012年にはユネスコの無形文化遺産として認定されています。

恐らく、数千年も前に地中海周辺地域に住んでいたローマ人、ギリシャ人、フェニキア人がオリーブの木を栽培し始め、オリーブの実から採れる果汁が使えることを発見し、オリーブオイルを使用始めたのではないかと考えられています。しかし、オリーブやその実、そしてオリーブオイルが、現在と同じように重要な産物となったのは古代ギリシャの頃のこと。だからこそ、これらのモチーフがコイン、または古の墳墓に永遠の命の象徴として刻まれたわけです。偶然ではないのです。

オリーブの木とその実とオリーブオイルの興味深いデータがあります。それは、ある時期オリーブの枝葉の冠がオリンピックゲームの参加者に与えられていたこと。さらに、勝者に与える冠を形成する枝の一部は、両親が健在である12歳の男子が純金のナイフで切りとったものだとか。

人類の歴史にとても関わりがあるこのスポーツの祭典で、選手たちは練習前後に全身にオリーブオイルを塗布してマッサージをしていたそうです。実際今日でもその習慣は受け継がれ、古代に高く評価されていたオリーブオイルマッサージは、現在でも非常に高く評価されています。

さらに、オリーブやオリーブオイルは、宗教の世界(特に民衆文化レベル)でも利用されるようなりました。ギリシャ神話によると、アリスタイオスがバルカン半島、エーゲ海、シシリア、サルダーニャにこれらの産物を与えていたそうです。とういうことは、アリスタイオスがオリーブオイルと採油法の発明者だと考えられているのは偶然ではないと言うことですね。

いずれにしても、オリーブオイルが最盛期を迎えたのはローマ帝国時代のこと。地中海地域全体でオリーブオイルが普及し、ローマ帝国の一部として存在であり、当時イスパニアと呼ばれていたスペインにまでたどり着きました。これでスペイン産オリーブオイルの歴史が大分わかったと思います。ヨーロッパのこの地域では、そんなに古くからこの類まれな品質が自慢の「黄金の液体」を作り出していたのですね。

古代オリーブオイルの歴史、特にスペイン産オリーブオイルの歴史に興味がある人のために、第二章を準備中。お楽しみに。待っている間、スペイン産オリーブオイルを使って思いつくまま何か作って満喫しては?

人類の歴史の中でのオリーブオイル (パート1)

【オリーブオイルの歴史に関するおすすめ記事】

【オリーブオイル基礎知識に関するおすすめ記事】

 

【オリーブオイルの使い方に関するおすすめ記事】

0 コメント

関連する投稿

オレオツーリズム -アンダルシア州でオリーブオイルを堪能

204月 | 24 オレオツーリズム -アンダルシア州でオリーブオイルを堪能
  大型連休に海外旅行を計画されている方も多いと思いますが、皆さんは「オレオツーリズム」をご存知ですか?オレオツーリズムとはスペインを旅しながら、オリーブオイルの魅力を発見する休暇スタイルで、オリーブオイル生産において世界をリードするスペイン南部のアンダルシア州では、このオレオツーリズムがとても盛ん。世界中の旅行者が集まります。 イベリア半島に位置するスペインでは、世界のオリーブオイル生産量の約50%が製造されており、うち約65%を占める130万トンが輸出されています。畑面積にすると、世界のオリーブ畑の約25%をスペインが保有していることになります。スペイン国内では、200種類以上のオリーブ品種が栽培されていて、高品質で幅広いジャンルの香りと味わいのオリーブオイルの提供が可能になっています。 上部の写真にあるとおり、中心地の住宅街を囲む緑の大地は、もちろんオリーブの畑。美しい建築と偉大なる大地の恵みが共存する地こそ、「偉大なるスペイン」なのです。   オリーブの聖地・ハエン県 写真:oleicola jaen ハエン県はアンダルシア北東部に位置し、スペイン最大のオリーブオイル生産地。農地面積の80%近くをオリーブの木が占めています。見渡す限り美しいオリーブ畑が広がり、まさに「オリーブ畑の地」。 世界中で賞賛される世界最高級のオリーブオイルを生み出すこの地で、オリーブオイルのテイスティングや、オリーブオイル生産者さんたちとの出会い、さらに、オリーブオイル・マッサージやスパなどの観光スポットがたくさんあります。   Museo de la Cultura del olivoオリーブ文化博物館は、1997年に設立され、現在は文化財に指定されています。この博物館では、採油システムについての歴史を見ることができ、また、庭園には、地中海沿岸のさまざまな国の種々オリーブが植林されています。1848年に建てられた産業建築の壮大な例である貯蔵庫は、オリーブオイルの大聖堂として知られています。 長い棒でオリーブの木をゆすって実を落とす体験も可能です。オリーブの木にたわわに実ったオリーブの実がゴロゴロっと落ちてくると、スペインの風にのって、ほのかにグリーンの香りが広がり、まるで心が洗われるようです。 *要事前予約です。   街全体が世界遺産に囲まれた地、ウベダ・バエサのルネサンス様式の建築  ...
0

スペイン風鴨南蛮蕎麦

114月 | 24 スペイン風鴨南蛮蕎麦
スペイン産オリーブオイルの風味が効いた、おいしいダックとそばの絶妙な組み合わせ。新しいそばの味をお楽しみください。 材料 そば:3束 リーキ:1本(3cmにカット) ダックスライス:15枚 生姜(チューブ):5cm 酒:大さじ3(ダックを調味するため大さじ1、味付けのため大さじ2) 塩、コショウ:適量 スペイン産オリーブオイル:大さじ2 メンツユ(3倍希釈)と白だし:各50cc みりん:大さじ2 醤油:大さじ2 かつおぶし:1パック 水:1000cc 油揚げ(オプション):1枚 エリンギ(オプション):1パック ゆず(オプション):適量 調理方法 ダック、生姜、酒大さじ1、塩、コショウをポリ袋に入れてよく揉み込む。 野菜を切る。油揚げを使用する場合は最後に切る。 かつおぶしと水を鍋に入れて沸騰させる。 次にメンツユ、白だし、みりん、酒大さじ2、醤油を加えて再沸騰させる。...
0

春に食べたいスペイン風サラダ特集

104月 | 24 春に食べたいスペイン風サラダ特集
春風がそよぎ、暖かい日が続く日に食べたくなるのがサラダ。春に旬を迎える野菜の多くは、生で食べることができるものが多くありますよね。そこで、今回はスペイン産オリーブオイルで作る春に食べたいスペイン風サラダをご紹介します。   スペインらしいカラフルなサラダ 写真:Seamus Mullen, presentada en la Cumbre Anual de Liderazgo Menus of Change® de 2019. 転載ほか、無断の使用を禁じます。 日本の家庭で食べるサラダとはちょっと見た目が違いますね!さすがスペイン、カラフルで栄養バランスも完璧と言えるこのサラダは、ラディッシュとズッキーニのツナ・サラダ。ラディッシュだけでなく、紅芯大根を加えることで、お料理がパッと明るくなりますね。ドレッシングはもちろん不要、なぜならば、スペイン産エキストラバージンオリーブオイルと岩塩だけで最高に美味しいからです。 どの品種のスペイン産エキストラバージンオリーブオイルでも合いますが、おすすめの品種は、ロイヤル種です。ロイヤル種は、アンダルシア州ハエン県の郷土品種で、とってもフリーティで芳醇なイチジクのアロマが広がるのが特徴です。是非試してみてください。 スペイン流カラフルサラダのレシピを見る   春のフルーツとフォワグラのスペイン流スペシャルサラダ...
0

個人情報保護方針に同意します。

*項目を確認する

ニュースレターを登録する

スペイン産オリーブオイルについて最新情報をご希望の方は、ニュースレター登録へ。